気づけば、あの日から百日以上が経っていました。導入した日のことは、今もはっきり覚えています。緊張しながら最初の指示を打ち込んで、返ってきた結果を何度も見直していた、あの感覚のことです。
距離を測っていた頃
最初の一ヶ月ほどは、正直なところ様子見でした。任せる範囲を少しずつ広げながら、結果を細かく確認する日々。うまくいったときはほっとして、うまくいかなかったときは自分のやり方を責めるように、指示の書き方を見直していました。振り返ると、あの頃の私は「これはどこまで任せていいものなのか」という距離を、手探りで測っていたのだと思います。
信頼というのは一度にできるものではなく、小さな成功と小さな失敗を積み重ねて、少しずつ形になっていくものでした。数週間かけて、ようやく「毎日ここまでは任せて大丈夫」という感覚が自分の中にできてきたのを覚えています。
関わり方が変わっていった
二ヶ月目に入る頃から、私自身の関わり方が変わっていったように思います。以前は「正しく指示できているか」ばかり気にしていたのが、いつの間にか「今日は何を任せて、何を自分でやるか」を考えるようになっていました。任せることそのものよりも、任せた後の自分の時間をどう使うかに意識が向くようになったのです。
これは道具が変わったというより、私の側の姿勢が変わったということだったのだと、今になって思います。最初は「うまく使えるかどうか」だけを見ていましたが、今は「この時間で自分は何をしたいのか」を考えるようになりました。主語が道具から自分に戻ってきた、というのが一番近い表現かもしれません。
これからのこと
百日を過ぎた今、任せる範囲そのものはもうそれほど大きな関心事ではなくなりました。それよりも、空いた時間や気持ちの余裕を、これから何に使っていくかの方が気になっています。まだ答えは出ていませんが、焦って決める必要もないと感じています。
この連載を続けてきて思うのは、変化はいつも静かに、後から気づく形でやってくるということです。これから先も、大きく構えず、今の延長線上で少しずつ形を確かめていきたいと思っています。